この記事では、カールじいさんの空飛ぶ家のあらすじ、ネタバレ、声優キャストについて紹介します。
亡き妻との約束を果たすため、人生最後の大冒険に出る老人カールと、偶然その旅の同行者となった少年ラッセルの感動の物語です。
アニメーション映画としては、1991年の「美女と野獣」以来のアカデミー賞作品賞候補に入りました。
カールじいさんの空飛ぶ家の作品詳細情報
公開日:2009年12月5日(全米公開:2009年5月29日)
原題:Up
上映時間:96分
監督:ピート・ドクター
製作:ピクサー・アニメーション・スタジオ、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
出演:エドワード・アズナー/クリストファー・プラマー 他
冒険家に憧れていた少年と少女は、大人になり結婚し、仲良く暮らしていましたが、ある日妻が亡くなってしまいます。
愛する妻との思い出の家をも立ち退かなければならなくなった日、カールは家に風船をつけて冒険の旅へと出発しました。
いくつになっても冒険はできる、と思わせてくれる心温まる映画です。
カールじいさんの空飛ぶ家のあらすじ
子供時代のカールは、勇敢な冒険家であるチャールズ・マンツに憧れていました。
チャールズ・マンツとは、南アメリカの秘境「パラダイスの滝」を探検し、怪鳥の骨格を持ち帰ったことで一躍時の人となった人物です。
しかし、冒険家協会はその骨を捏造だと断定、マンツの協会員資格は剥奪されてしまいました。
その後マンツは、パラダイスの滝から怪鳥を生け捕りにしてくるまでは故国へは帰らないと宣言し、再び冒険の旅へと出たのでした。
そんなマンツに憧れていたカールは、ある日、空き家で冒険ごっこをしていたエリーと出会います。
無口なカールと対照的に活発なエリーは、いつの日かパラダイスの滝に行くことが夢だと語ります。
そして半ば強引に、その場所へ連れて行くことをカールに約束させるのでした。
時は流れ、二人は大人になり結婚し、仲良く楽しい時間を過ごします。
子供を望んでいましたが、子宝には恵まれませんでした。
落ち込むエリーを励まそうと、カールはパラダイスの滝へ行くための貯金を始めようと提案します。
しかし、何かと物入りなことが続き、貯金は思うように貯まりません。
それでも二人は常に笑顔で、明るい家庭を築いていました。
お互いに年をとったある日、カールはついにパラダイスの滝へと行くチケットを買い、エリーへサプライズで渡そうとします。
しかしそれを渡す前に、エリーは病に倒れ、カールを置いて旅立ってしまいました。
悲しみに暮れるカールですが、二人が過ごした家だけは守ろうと、都市開発による立ち退きの要求を頑なに断ります。
しかしある日、工事の車がカールとエリーの郵便受けを壊してしまったことに腹を立てたカールは、その作業員に暴力をふるいケガを負わせてしまいます。
警察の厄介になってしまったカールは、ついに家を出て行かなくてはいけなくなりました。
明日の朝、老人ホームのお迎えが来ると言われたその夜、カールはエリーとの夢を叶えることを誓ったのでした。
そして次の日、大量の風船を結び付けたカールの家は空へと飛び、パラダイスの滝へと向かう旅に出るのでした。
すると、ひょんなことから、数日前にカールの家を訪れていたラッセルも一緒についてきてしまっています。
ラッセルは、ボーイスカウトの「お年寄りのお手伝いバッジ」が欲しいために、カールの家を訪れていたのでした。
カールは、どうにか家からラッセルを降ろそうとしますが、うまくいきません。
そうこうしているうちに家は積乱雲へと巻き込まれてしまいます。
ラッセルの操縦でなんとか南アメリカに着いた二人は、遠くにパラダイスの滝を発見するのでした。
風船の空気が持つまでの時間は限られています。
どうにか家をロープで引いて、歩いて滝へと向かうことにしたカールとラッセルは、途中の森で大きな鳥に出会います。
その鳥は、ラッセルの持っていたチョコレートが大好物のようで、二人の後をついてきます。
ラッセルはその鳥にケヴィンと名付けました。
そうして歩いていくと、今度はどこからか人の声が聞こえ、一匹の犬が現れます。
その犬は、特殊な首輪をつけていて、なんと人間の言葉を話すことができ、ダグと名乗ります。
ダグは、二人に鳥を探していると言い、その鳥こそがケヴィンだったのです。
ラッセルは、ケヴィンとダグのことをとても気に入り、ペットにしたいとカールに話しますが、カールは早く滝へと行かなければいけないのだからと、相手にしません。
その夜、雨宿りをしながら、ラッセルは自分の家族の話をカールにします。
ラッセルの父親は仕事が忙しく昔のように遊んでくれず、父親の再婚相手には心を開けずにいました。
そんなラッセルの、ケヴィンも一緒に連れて行きたいという思いに打たれ、カールは連れて行くことを約束するのでした。
しかし朝になり、ケヴィンは自分の子供たちが待つ巣へと帰るためにラッセルたちの前から姿を消します。
悲しむラッセルたちの前に、ダグの仲間と思われる犬たちが現れ、二人をある場所へと連れて行くのでした。
以降は結末に向けてネタバレを含みますので、結末を知りたくない場合は飛ばしてください。
恐る恐る着いていったカールとラッセンの前に現れたのは、あのチャールズ・マンツでした。
マンツは、今もまだ怪鳥を探し続けていて、犬たちに翻訳機を付け身の回りの世話をさせながら、洞窟の中で暮らしていたのでした。
憧れの存在であるマンツと出会えたカールは大喜びし、マンツもまたカールを厚くもてなします。
しかし、話を聞いていくうちにカールは、マンツの怪鳥への異様な執着に恐怖を感じ始め、そしてその怪鳥とはケヴィンであることに気付くのでした。
穏便にその場を離れようとするカールでしたが、その時、ケヴィンが鳴き声をあげ見つかってしまいます。
ケヴィンを横取りされると勘違いしたマンツは、犬たちにカールとラッセルを捕らえるように命じるのでした。
必死に逃げるカールたちでしたが、途中でケヴィンがケガをしてしまいます。
ケヴィンを巣まで連れて行ってあげようとラッセルはカールに頼みますが、カールは自分の家のことが気になってそれどころではありません。
エリーとの思い出が詰まった二人の家を、パラダイスの滝の元まで運ぶまでは壊したくはないのです。
そこへ追いついたマンツにより、風船は大量に割られてしまいます。
もう時間はないと焦ったカールは、一人で家を運び、ついにパラダイスの滝の元へ家を運ぶことが出来ました。
しかし、ケヴィンを見捨てたことを許せないラッセルは、ボーイスカウトのバッジを投げ捨て、カールへの怒りをあらわにするのでした。
カールは家の中へと入り、エリーが小さい頃に見せてくれた「わたしの冒険ブック」を見ながら二人の思い出に浸ります。
最後のページ、エリーからのメッセージを見たカールは、今大事にすべきものに気付き、ラッセルを探しに行きます。
するとラッセルは、風船の一部を外して、ケヴィンを探しに行ってしまいました。
ラッセルを追おうとするカールですが、風船も少なく家は宙に浮きません。
カールは決心し、家の中から思い出の家具たちを捨てることで家を軽くして、空へと飛び立つのでした。
ケヴィンを連れて帰ろうとするマンツの飛行船へ侵入したカールとラッセルは、ダグの手助けもあり、どうにかケヴィンを助け出すことに成功します。
しかし、マンツの攻撃により、カールの家は今にも地面へと落ちてしまいそうになってしまいました。
カールは大切な家を諦め、無事にラッセル達を助け出しました。
カールとラッセルは、ケヴィンを巣へと戻し、ダグと共にマンツの飛行船で街へと帰ります。
ラッセルが「お年寄りのお手伝いバッジ」をもらう日、父親の代わりに、カールが来てくれました。
二人は、年は離れていても友達になり、その後も仲良く過ごしています。
そして、カールとエリーが暮らした家は、エリーが昔絵に描いたように、パラダイスの滝の近くで佇んでいます。
カールじいさんの空飛ぶ家の感想
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カールとエリーの関係がとても素敵で、カールは頑固にも見えますが、それだけエリーのことが大事だったんだろうな、と、最終的にはとても優しい気持ちになれる映画です。
しかしもちろん子供でも楽しめる作品にはなっているのですが、むしろこの作品をオススメしたいのは大人の皆様。
老い、愛する人との別れ、孤独。
これらは私たちがいつ直面するかわからない、現代人なら誰もが抱える可能性のある問題です。オープニングのカールは、まるで鬱病かと思うほど過去に囚われ、現在を楽しめない人でした。
そんな彼が新しい出会いを通し、エリーへの愛を心に留めたまま、再び彼自身の人生を歩み始める姿には、むしろ大人の方が感動できるはずです。
カールじいさんの空飛ぶ家を観ました。
荒唐無稽だけど夢があって楽しく観れた。
開始10分程度で泣きそうになりましたが、カールじいさんが意外と堅物でちょっと笑った。
とにかく犬のダグが可愛い。リスだ!リスがいるぞ!! pic.twitter.com/vhu0mEtI82
— OKAYU FACTORY (@FactoryOkayu) May 25, 2020
「カールじいさんの空飛ぶ家」
心を閉ざしたカールじいさんが近所の子供により心を解放していく話で、年老いても夢を持ち続けることはできると思い亡き妻との約束を果たすべく旅に出る。ギスギスとした世の中で優しさを保ち続けることはとても難しい。夫婦の愛情、年齢を越えた友情を描いた作品でした pic.twitter.com/hkzVbYQo9Y— クラムボン (@gebokuminarai) April 18, 2020
カールじいさんの空飛ぶ家の声優キャスト
カール・フレドリクセン役(エドワード・アズナー)
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1929年にアメリカ合衆国ミズーリ州カンザスシティに生まれ、地元の劇団で役者としての活動を始めました。
ゴールデングローブ賞を5回、エミー賞を7回も受賞していて、その功績が称えられ、エンターテイメント界で活躍した人の名が彫られたプレートが埋め込まれているハリウッド名声の歩道「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」に名前が刻まれています。
ハリウッドきってのリベラル派であることから、街頭デモなどで逮捕されてしまう事もありました。
チャールズ・F・マンツ役(クリストファー・プラマー)
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カナダ連邦オンタリオ州トロント出身で、もともとはピアニストになるために勉強していました。
俳優に転向してからは、カナダの舞台からブロードウェイ、そしてロンドンを経てブロードリーフへと戻り、映画の他テレビ、舞台、ラジオなど幅広く活躍しています。
アカデミー賞助演男優賞をはじめ、エミー賞、ゴールデングローブ賞など数々の賞を受賞しています。
まとめ
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カールじいさんの空飛ぶ家のあらすじ、感想、キャストについて紹介しました。